肉選びは、カロリーだけでは決まらない。
ピュアミートとミックスベースから考える、napaniの犬の食事設計
犬のごはんを選ぶとき、「カロリー」を気にされる方はとても多いと思います。
「太りやすいから、できるだけ低カロリーのものを選びたい」
「脂質が高い肉は避けた方がいいのでは?」
「どのピュアミートが一番カロリーが低いですか?」
こうしたご質問をいただくことも少なくありません。
もちろん、カロリーや脂質量は食事を考えるうえで重要な指標です。
しかし、私たちはそれだけで肉を選んでしまうことには、少し違和感があります。
なぜなら、肉は単に「エネルギー」と「タンパク質」を供給するだけの食材ではないからです。
肉の種類によって、脂肪酸の構成も違います。
鉄や亜鉛、ビタミンB群などの含まれ方も違います。
さらに、心臓、肝臓、砂肝、肺など、どの部位が使われているのかによっても栄養的な特徴は変わります。
そして、napaniの食事は肉だけで完結するものでもありません。
ピュアミートにミックスベースを組み合わせ、必要に応じてオイルや栄養補助食品を加えることで、一食全体を設計していきます。
今回のコラムでは、
「どの肉が一番良いのか」ではなく、
「この子に、どんな一食をつくるのか」
という視点から、犬の食事を考えてみたいと思います。

第1章 肉選びが「カロリー選び」になっていませんか?
ピュアミートシリーズには、チキン、ビーフ、羊、グース、ダック、鹿、イノシシなど、多くの肉があります。
これらを比べるとき、最初に目に入りやすいのがカロリーと脂質です。
実際、ウェットフードでは脂質量がエネルギー密度に大きく影響するため、
「脂質が高い=カロリーも高くなりやすい」
という関係はあります。
しかし、
カロリーが低い肉=栄養的に優れた肉
ではありません。
反対に、
カロリーが高い肉=健康に悪い肉
でもありません。
低脂質の肉には、必要な脂質を後から調整しやすいという利点があります。
一方、エネルギー密度の高い肉には、少ない量でもしっかりエネルギーを摂取できるという役割があります。
大切なのは、
「高いか、低いか」ではなく、その犬の食事の中でどんな役割を持たせるのか
ということです。
そこで、まず「カロリー」という数字そのものを考えてみましょう。
第2章 そもそもカロリーとは何か
― カロリーは「栄養」ではなく、エネルギーの尺度
カロリーとは何でしょうか。
簡単に言えば、
その食べ物からどれだけのエネルギーを得られるか
を表す尺度です。
車にたとえるなら、カロリーは「燃料」に近いものです。
燃料がなければ車は走れません。
しかし、ガソリンさえ入っていれば車が正常に走り続けられるわけではありません。
エンジンを構成する部品があり、潤滑油があり、冷却系があり、電気系統があり、それぞれが正しく働いて初めて車は走ります。
犬の体も同じです。
体を動かすにはエネルギーが必要です。
しかし、健康に生きるために必要なのはエネルギーだけではありません。
筋肉や臓器、皮膚、被毛などをつくるためのタンパク質とアミノ酸。
細胞膜などを構成する脂質と必須脂肪酸。
骨や歯だけでなく、神経や筋肉の働きにも関係するカルシウムやリン、マグネシウム。
酸素の運搬に関係する鉄。
多くの酵素反応に関わる亜鉛や銅。
エネルギー代謝そのものを支えるビタミンB群。
さらにビタミンA、D、E、Kなど、多くの微量栄養素があります。
ところが、これらの多くは「カロリー」という数字には直接表れてきません。
鉄にはほとんどカロリーはありません。
亜鉛にもカロリーはありません。
ビタミンそのものを「燃料」として考えることもできません。
しかし、それらが不足すれば、体は正常に働くことができません。
つまり、
「何kcalあるか」と「栄養的に何が入っているか」は別の話
なのです。
同じ100kcalでも、
脂質を中心に得る100kcalなのか、
タンパク質を多く含む100kcalなのか、
鉄や亜鉛を含む赤身肉から得る100kcalなのか、
n-3系脂肪酸にも注目できる肉から得る100kcalなのか、
心臓を含み、タウリンやCoQ10などにも注目できる素材から得る100kcalなのか。
エネルギーという物差しでは、すべて100kcalです。
しかし、栄養的には同じではありません。
カロリーは「どれだけ燃料があるか」は教えてくれますが、「その燃料と一緒に何が入っているか」までは教えてくれないのです。
第3章 MEとは何を表しているのか
ここで、今回ピュアミートの比較に使う「ME」についても少し説明しておきます。
食品が持つエネルギーのすべてを、犬がそのまま利用できるわけではありません。
食品を完全に燃焼させたときに得られるエネルギーを、
総エネルギー(Gross Energy:GE)といいます。
そこから、消化されず便として失われるエネルギーを差し引いたものが、
消化エネルギー(Digestible Energy:DE)です。
さらに、タンパク質などを代謝した後に尿などへ失われるエネルギーも考慮して、実際に体で利用できるエネルギーに近づけたものが、
代謝エネルギー(Metabolisable Energy:ME)です。
考え方としては、
GE
↓ 便として失われるエネルギーを差し引く
DE
↓ 尿などへ失われるエネルギーを差し引く
ME
となります。
そのため、犬の食事を考える場合、単純な燃焼熱よりMEの方が、実際のエネルギー利用に近い指標になります。
ただし、ここでも重要なことがあります。
MEは精密なエネルギーの指標ではあっても、「栄養価そのもの」を表す数字ではありません。
MEだけを見ても、
鉄がどれだけあるのか。
亜鉛はどうなのか。
必須脂肪酸の構成はどうなのか。
どのアミノ酸が含まれているのか。
ビタミンやミネラルのバランスはどうなのか。
ということまでは分かりません。
だからこそ、カロリーは大切でありながら、
カロリーだけで食事を語ることはできない のです。
第4章 ピュアミートは、こんなにも違う
ピュアミートを比較してみましょう。
| ピュアミート | ME /100g | 粗タンパク質 | 粗脂肪 |
|---|---|---|---|
| ピュアジビエ(従来タイプ) | 約81 kcal | 10.8% | 2.8% |
| ピュアチキン | 約84 kcal | 11.0% | 3.1% |
| ピュアビーフ | 約84 kcal | 7.6% | 3.7% |
| ピュアラム/シープ | 約108 kcal | 12.3% | 4.9% |
| ピュアロエ(ノロジカ) | 約110 kcal | 15.3% | 4.3% |
| ピュアボアー(イノシシ) | 約110 kcal | 9.6% | 8.2% |
| ピュアグース | 約131 kcal | 9.0% | 9.5% |
| ピュアディア(赤鹿) | 約151 kcal | 10.0% | 11.4% |
| ピュアダック | 約146 kcal | 11.8% | 8.4% |
この表を見ると、一つ興味深いことがあります。
ロエとボアーは、どちらも約110kcalです。
しかし、
ロエは
粗タンパク質15.3%
粗脂肪4.3%。
ボアーは
粗タンパク質9.6%
粗脂肪8.2%。
同じ110kcalでも、内容はかなり違います。
これが、
「カロリーが同じ=栄養が同じ」ではない
という分かりやすい例です。
第5章 肉はタンパク質だけではない
それでは、カロリー以外では何を見ればよいのでしょうか。
肉にはタンパク質と脂質以外にも、
鉄
亜鉛
ビタミンB群
脂肪酸
タウリン
カルニチン
クレアチン
CoQ10
など、さまざまな栄養成分があります。
さらにnapaniでは、単純な筋肉肉だけでなく、商品によって心臓、砂肝、肝臓、肺なども使われています。
そこで、それぞれのピュアミートを「栄養の個性」という視点で整理してみます。
| 肉種 | カロリー以外で注目したい栄養 | 食事設計での見方 |
|---|---|---|
| チキン | ビタミンB群、心臓由来のタウリン・CoQ10、砂肝由来の鉄など | 比較的低脂質で、日常的な食事のベースに組み込みやすい |
| ビーフ | 鉄、亜鉛、B12、カルニチン、クレアチン、CoQ10 | 赤身肉と内臓を組み合わせた栄養密度に注目 |
| ラム/シープ | 鉄、亜鉛、B12、カルニチン、CLA、n-3系脂肪酸 | 反芻動物特有の脂肪酸組成も特徴 |
| グース | 鉄、B群、不飽和脂肪酸、心臓由来のタウリン・CoQ10 | 比較的エネルギー密度の高い家禽肉 |
| ダック | 鉄、B群、不飽和脂肪酸、心臓由来のタウリン・CoQ10 | 家禽の中でも脂質の存在感が大きい |
| ロエ | 鉄、亜鉛などのミネラル、n-3系PUFA | 比較的低脂質で、必要な脂質を後から足しやすい |
| ディア | 鉄、亜鉛などのミネラル、n-3系PUFA | 同じ鹿でもロエとは脂質・エネルギー密度が異なる |
| ボアー | 鉄、亜鉛、B群、PUFAなど | 野生肉ならではの脂肪酸構成にも注目 |
ここで重要なのは、
「○○という栄養素が入っているから、この肉が一番優れている」
という話ではありません。
それぞれが違うからこそ、選択肢になるということです。
第6章 「心臓」や「内臓」が入っている意味
同じチキンでも、
鶏胸肉だけを食べるのと、
筋肉、心臓、砂肝を組み合わせて食べるのとでは、栄養の構成は変わります。
心臓は筋肉組織の一つですが、非常に多くのエネルギーを使う臓器でもあります。
そのため、タウリンやCoQ10などに注目される部位です。
タウリンは、心臓機能や神経系などに関わる重要な成分です。
CoQ10は、細胞内のミトコンドリアでエネルギーをつくる過程に関係しています。
また、砂肝にはタンパク質だけでなく、鉄やビタミンB群なども含まれます。
肝臓はさらに、ビタミンやミネラルを豊富に含む臓器です。
だから、
「チキンだからこの栄養」
という見方だけではなく、
「どの動物の、どの部位が入っているのか」
まで見ることが大切です。
第7章 鹿肉は「低脂肪」だけではない
鹿肉は「低脂肪・高タンパクな肉」と紹介されることが多い食材です。
もちろん、それは一つの特徴です。
しかし、鹿肉でもう一つ注目したいのが、
脂肪酸組成
です。
鹿肉では、n-3系多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含む脂肪酸構成が報告されています。
ただし、
鹿肉を魚油のような「オメガ3供給源」と考えるのは適切ではありません。
鹿肉は脂肪量そのものが少ないことも多いため、
「オメガ3がたくさん摂れる」
というより、
「少ない脂肪の中に、どのような脂肪酸が含まれているのか」
を見ることが重要です。
そして現在のピュアミートを見ると、ロエと赤鹿でも大きく違います。
ロエは粗脂肪4.3%。
赤鹿は11.4%。
同じ「鹿」でも、現在の商品では脂肪量に約2.7倍の差があります。
つまり、
鹿だから低脂肪
と一括りにすることもできません。
第8章 低脂肪の肉は「足し算しやすい」
ロエのような比較的低脂肪の肉の魅力は、
単にカロリーが低いことではありません。
私たちは、こうした肉を
「足し算しやすい肉」
と考えています。
最初から脂肪が多い肉は、その脂肪を後から取り除くことはできません。
しかし、低脂肪の肉であれば、必要に応じてオイルを加え、脂質や脂肪酸の構成を調整することができます。
つまり、
低脂肪=優れている
のではなく、
食事設計の自由度が高い
ということです。
これは、napaniの食事を考えるうえでとても重要な考え方です。
第9章 ミックスベースも、全部同じではない
― カロリーではなく、「何を足すのか」で考える
ここまでピュアミートについて見てきました。
では、肉と組み合わせるミックスベースはどうでしょうか。
ここでも考え方は同じです。
ミックスベースを、
「肉に野菜を少し足すもの」
とだけ考えてしまうと、その役割の一部しか見えません。
それぞれ原材料が違い、
タンパク質
脂質
食物繊維
炭水化物
ミネラル
の構成も異なります。
つまり、ミックスベースでも重要なのは、
「何kcalを足すのか」ではなく、「どんな栄養を足すのか」
という視点です。
第10章 4種類のミックスベースを比較する
| ミックスベース | kcal/100g※ | 粗タンパク質 | 粗脂肪 | 粗繊維 | 注目したい栄養・構成 | 食事設計での特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ガルテンツァウバー | 約266 kcal | 13.2% | 1.7% | 9.0% | ブロッコリー、かぼちゃ、洋梨。K 2.71%、Ca 0.37%、P 0.36% | 低脂質・高繊維型。 野菜・食物繊維を組み込みやすい |
| ハイマートゲヌッス | 約271 kcal | 12.7% | 3.7% | 10.0% | ズッキーニ、にんじん、りんご。K 2.61%、Ca 0.38%、P 0.43% | 高繊維・野菜果物型。 ガルテンツァウバーと近いカロリーでも原材料構成は異なる |
| ツム フレッセン ゲルン | 約337 kcal | 11.9% | 5.9% | 3.8% | キビ、にんじん、洋梨、ほうれん草、ココナッツ。旧分析値ではデンプン52% | 炭水化物・エネルギー補給型。 食事全体のエネルギー源としての役割も大きい |
| ブンテス トライベン | 約377 kcal | 7.6% | 7.4% | 4.6% | 玄米、かぼちゃ、りんご、ココナッツ、ネトル、ヘンプ。旧分析値ではデンプン49% | 高エネルギー型。 炭水化物に加え植物由来の脂質も関与 |
※乾燥状態100gあたり。ガルテンツァウバー、ハイマートゲヌッスは分析成分から算出した推定ME。ツム フレッセン ゲルンとブンテス トライベンは2019年の分析結果から換算した参考値で、現在は一部原材料に変更があります。
第11章 同じ約270kcalでも、中身は違う
ここでも、ピュアミートとまったく同じことが起こります。
ガルテンツァウバー:約266kcal。
ハイマートゲヌッス:約271kcal。
カロリーだけを見ると、ほぼ同じです。
しかし、原材料は、
ブロッコリー・かぼちゃ・洋梨。
ズッキーニ・にんじん・りんご。
です。
粗脂肪も1.7%と3.7%で異なります。
粗繊維も9.0%と10.0%。
さらに、原材料が違えば食物繊維の性質や植物由来の微量成分も違ってきます。
つまり、
「約270kcal」という数字だけでは、そのミックスベースが何を食事にもたらすのかは分かりません。
これは、ロエとボアーがどちらも110kcalでありながら、中身が違うのとまったく同じです。
第12章 食物繊維も「何%か」だけではない
食物繊維というと、
「便を出すためのもの」
というイメージがあるかもしれません。
しかし、食物繊維にはさまざまな性質があります。
水分を保持するもの。
腸内細菌によって発酵されるもの。
便量に関係するもの。
腸内環境に影響するもの。
原材料が違えば、含まれる食物繊維も変わります。
たとえば、りんごにはペクチンなどの水溶性食物繊維があります。
野菜にはセルロースやヘミセルロースなど、異なる性質の食物繊維も含まれます。
ですから、
「粗繊維10%だから9%より良い」
という単純な比較ではなく、
「何という植物から食物繊維を摂っているのか」
という視点も必要になります。
第13章 ツム フレッセン ゲルンとブンテス トライベンの役割
一方、
ツム フレッセン ゲルンとブンテス トライベンは、野菜・果物中心の2商品とは少し性格が違います。
分析値では、
ツム フレッセン ゲルンのデンプンは52%。
ブンテス トライベンは49%。
つまり、これらは単なる「野菜のトッピング」ではありません。
キビや玄米などを通して、
食事に炭水化物とエネルギーを供給する役割
も持っています。
さらに、ブンテス トライベンの粗脂肪は7.4%。
ココナッツなど、脂質を含む植物素材も使われています。
つまりミックスベースは、
野菜
+ 食物繊維
+ 炭水化物
+ 植物由来の脂質
+ ミネラル
を組み合わせるための「栄養パーツ」と考える方が実際に近いのです。
第14章 乾燥ミックスのカロリーが高く見える理由
ここで、
「ミックスベースの方が肉よりカロリーが高いの?」
と思われた方もいるかもしれません。
これは、
水分量の違い
によるものです。
ピュアミートは水分を多く含んだウェット状態。
一方、ミックスベースは水分を除いた乾燥状態です。
ミックスベースは実際には水で戻して与えます。
たとえば乾燥ミックス20gに水を加えて80gになったとしても、加えた水にはカロリーはありません。
総カロリーは変わらず、重量だけが増えます。
そのため、
乾燥状態100gの数字だけを見て「高カロリー」と判断することにも注意が必要です。
第15章 実際に一食を計算してみる
ここからは、食事設計の考え方を数字で見てみましょう。
これは給与量の推奨ではなく、あくまで考え方を理解するための例です。
例1 ロエ+ガルテンツァウバー
ロエ100g
=約110kcal
ガルテンツァウバー乾燥20g
=約53kcal
合計
約163kcal
です。
ここにオイル5gを加えると、脂質は1gあたり約9kcalなので、
約45kcalが追加され、
合計は、
約208kcal
になります。
つまり、
「ロエは低カロリーだから、一食も低カロリー」
とは限りません。
何を、どれだけ組み合わせるかによって、一食全体のエネルギーは変わります。
例2 チキン+ブンテス トライベン
チキン100g
=約84kcal
ブンテス トライベン乾燥20g
=約75kcal
合計
約159kcal
です。
チキンは比較的低エネルギーですが、エネルギー密度の高いミックスベースを合わせれば、一食全体は変化します。
例3 高エネルギー肉+野菜中心のミックス
反対に、グースや赤鹿など肉側から十分なエネルギーを確保する場合には、ガルテンツァウバーやハイマートゲヌッスのような野菜・果物中心のミックスベースを組み合わせるという考え方もできます。
つまり、
肉の性格とミックスベースの性格を組み合わせる
ことが食事設計なのです。
第16章 カロリーが合っていても、栄養が完成したとは限らない
ここで、もっとも大切なことがあります。
たとえば、一日の必要エネルギーが300kcalだったとします。
食材を組み合わせて、ちょうど300kcalになりました。
では、それで栄養的に完璧でしょうか。
答えは、
必ずしもそうではありません。
犬にはエネルギー以外にも、
必須アミノ酸
必須脂肪酸
カルシウム
リン
亜鉛
銅
ヨウ素
各種ビタミン
など、多くの栄養素が必要です。
つまり、
カロリー設計と栄養設計は別の問題
です。
300kcalを満たすことは、
「燃料が必要量入った」
ということにすぎません。
その燃料を使って体を正常に働かせるための材料まで揃っているかは、別に確認しなければなりません。
第17章 だから、肉だけでは終わらない
ここでnapaniの食事の考え方につながります。
基本となるのは、
ピュアミート
+ ミックスベース
+ オイル
+ 必要に応じた栄養補助
です。
ピュアミートで、
どんな動物性栄養を摂るのか
を考える。
ミックスベースで、
どんな植物性素材、食物繊維、炭水化物を組み込むのか
を考える。
オイルで、
必要な脂質と脂肪酸をどう補うのか
を考える。
さらに必要に応じて、
ビタミンやミネラルなどを補完していく。
一つの商品ですべてを固定するのではなく、
それぞれの栄養パーツを理解し、その犬に合わせて組み合わせる
という考え方です。
第18章 「どれが一番良いですか?」ではなく
「一番良い肉はどれですか?」
「一番良いミックスベースはどれですか?」
と聞かれることがあります。
しかし、私たちは、
一つだけが一番良いとは考えていません。
低脂肪の肉には低脂肪の肉の役割があります。
脂質の多い肉には、その役割があります。
鹿には鹿の脂肪酸があります。
羊には羊の脂肪酸があります。
心臓には心臓の栄養があります。
野菜中心のミックスには、その役割があります。
玄米やキビを含むミックスには、また違う役割があります。
だから、
どれが一番良いかではなく、今この子に何が必要なのか
を考えます。
第19章 「フードを選ぶ」から、「一食を設計する」へ
一般的なドッグフードでは、
商品を一つ選び、
表示された給与量を与える、
という方法が基本です。
それも犬の食事の一つの形です。
一方、napaniが提案する食事は、
肉を選ぶ。
植物性素材を選ぶ。
脂質を考える。
不足する栄養を補う。
そして、
その犬のための一食を組み立てる。
という考え方です。
だからこそ、カロリーを知ることも必要です。
タンパク質や脂質を見ることも必要です。
しかし、それだけではありません。
脂肪酸はどうなのか。
どんなミネラルを含むのか。
どんな部位が使われているのか。
どんな植物を合わせるのか。
どんな食物繊維を摂るのか。
オイルをどうするのか。
不足する栄養素はないのか。
一食全体として考えることで初めて、
「この肉を選ぶ理由」
「このミックスベースを選ぶ理由」
が見えてきます。
まとめ
カロリーは「答え」ではなく、食事を考えるための一つの数字
カロリーはとても大切です。
必要なエネルギーを把握せずに食事を考えることはできません。
しかし、
カロリーは栄養そのものではありません。
車でいえば、燃料の量を示しているにすぎません。
犬の体をつくり、維持し、代謝を動かすためには、そのほかにも多くの栄養素が必要です。
だから、
「何kcalなのか」
だけを見るのではなく、
「そのカロリーの中に、何が入っているのか」
を見る。
そして、
「その食材だけでは何が足りないのか」
を考える。
ピュアミートにも、それぞれ違った栄養の個性があります。
ミックスベースにも、それぞれ違った栄養の個性があります。
そこにオイルや必要な栄養を組み合わせていく。
何を食べさせるか、ではなく。
この子に、今日はどんな一食をつくるか。
カロリーや栄養成分の数字は、その答えを決めるルールではありません。
その子に合わせて食事を組み立てるための、
一つの道具なのです。

